先日、オリンピックのメダリストが銀座でパレードをおこなった。

オリンピックは、僕も夢中になったし、たくさんの感動をもらった。

並外れた才能と、環境に恵まれて、さらに想像を絶する努力をあきらめずに続けてきて、勝ち取った栄光。

本当に素晴らしいと思う。

 

ところで、オリンピック選手をはじめ、栄光を手にした人たちはみな、口をそろえて

「夢をあきらめなかったから夢がかなった」

と言う。

 

だからといって、子どもたちに

「夢を諦めるな」

というメッセージを伝えることに僕は疑問を感じる。

 

野球選手を例にあげると

高校野球連盟の硬式チームに登録されている1年生選手の数は毎年6万人くらい。

一方、プロ野球選手になる人は毎年120人くらい(ドラフト、育成枠合わせて)

そのうち半数は4~5年で引退する。

 

1学年6万人の野球選手のうち、プロで活躍できるのは60人くらい。

1000人に1人の割合です。

つまり、プロ野球で活躍する選手の影には、その1,000倍の「夢を諦めた」人がいる。

さらに高校に入るまでに野球を諦めた人を数えれば、その何倍もいるはず。

 

そう考えると

「夢を諦めるな」 というメッセージより

「夢がかなわなかった時どうするか」 というメッセージのほうが、1,000倍 意義があると思う。

 

新庄剛志のメジャー時代の通訳などを務めたことで有名な小島克典さんは、

次のような素晴らしいメッセージを残している。

 

 

 人生のいいところはやり直しがきくことだ。

 途中でケガをしたら、野球を辞めるのもありだと思う。

 夢はあきらめてもいいと思う。大切なのは、その次。

 ひとつの夢をあきらめたら、

 新しい夢を描ける人間になってください。

(※2004年、中学生の硬式野球チームの選手に話した言葉です。)

 

小島さんは、高校野球の名門、日大三高で選手として活躍するも、

プロ野球選手にはならず、横浜ベイスターズなどで通訳として第二の野球人生を歩み、

今は大学の教員などとして活躍されている。

 

 

次回は、

「夢を諦めるタイミング」 と

「どんな夢を持ったらいいか」

について書こうと思う。