デザインストーリー

使いやすくて新しいデザイン

インスタコードは、SUZUKI社の電子楽器「Omnichord(オムニコード)」をベースに、より使いやすく表現力豊かな電子楽器を目指して開発をスタートしました。

ですから当初は、Omnichordに似た形状の製品化を検討していました。


▲SUZUKI社製 Q-CHORD(OMNICHORD)

▲開発者が作った木製のモックアップ

製品の仕様がほぼ決まった時点で、所有欲を掻き立てるかっこいいデザインにするため、武者デザインプロジェクトの代表で、カラーユニバーサルデザイン機構の代表でもある武者氏に相談しました。

デザイン制作にあたり、依頼したのは以下のポイントです。

デザインのポイント

  • できるだけ多くの人にとってアクセシブルなユニバーサルデザインを目指す
  • 今までの楽器にはない未来的なデザイン
  • 持ち歩きやすいサイズと重さ

デザインを検討し始めた当初は、いわゆる既存の楽器イメージからは離れる新たな方向性を模索しました。

しかし、使い勝手の視点から考えてみると、演奏側の手がゴムスイッチを弾き、もう一方の手がコード入力ボタンを押しながら楽器を握って安定をさせ、ゴムスイッチ側の外側に広がった胴部が演奏者の体に密着しさらに安定をさせる…….この機能とレイアウトはまさにギターのそれと同様であったわけです。

「エアーギター」に代表されるように誰しも楽器を奏でる仕草を歴史的・文化的に理解していることを考えると、ギターの形態は弦楽器として完成されたフォルムであると言えますし、その情報は脳内に記号化されています。

そのためデザインのまとめ方としては「弦のない弦楽器のイメージ」を優先し、次に「未来感」「ときめき感」等を付加して行きました。

つまり、初めて見た方が「なんだこれは?」と想像できないものではなく「おそらく楽器?」ならば「面白そう」「鳴らしてみたい」と感じさせるデザインを目指しました。

直線と曲線の調和

インスタコードのデザインの特徴は、曲線と直線の組み合わせです。

流れるような洗練された曲線は、誰でも弾けるという優しさと、今までにない楽器という新しさを表現しています。

そして、本体中央を貫く直線的なデザインは安心感と力強さを表現しています。

長さを420ミリと設定した理由

※製品のボディカラーはグレーになります

「420ミリ」はA3紙サイズの長手寸法です。
厚み方向を確認する必要はあるものの、A3ファイルケースやアタッシュケース等市販品でケースとなる選択肢は豊富です。

この「420ミリ」の寸法内で最適な操作性を検討しデザインを進めましたが、現在でも改良を加えており、皆様にはその結果を2021年7月にお届けします。

左利きでも使いやすいユニバーサルデザイン

本機はユニバーサルデザインの観点から本体軸上に対してシンメトリックなレイアウトとし、さらに液晶画面も反転可能として右利きでも左利きでも使い易い楽器であることを目指しました。

インスタコードのデザインは、武者デザインプロジェクト・代表 武者廣平氏が担当しました。

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